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2018-09-10

箏 23(太食調・水調の調絃)


太食調は、曲により、本来の呂旋と律旋が混在しています。また、いわば平調の枝調子ともいえます。そのためでしょうか。平調の角(律角)を1律(半音)下げて呂角にしたものが用いられます。このため、四絃を二絃からではなく、六絃から取ることになります。角の四絃・九絃以外は平調と同じです。なお、『楽家録』には呂角ではなく、単に角と書かれていますが、判りやすく呂角で記しておきます。

<太食調>
呂角呂角
盤渉平調下無鳬鐘盤渉上無平調下無鳬鐘盤渉上無平調下無
F♯G♯C♯F♯G♯C♯F♯
五合五合六合二合三合二合三合四合五合六合七合八合

ただし、『楽家録』には、「左に挙げるところの調絃は、古法であるけれども、近代は用いない。ただ、平調のように調弦して合奏する。」とあります。

現在は、上記調絃を使用しています。なお、太食調でも律の曲を演奏する際は、平調の調絃で演奏します。このため、音取(爪調)は呂角で演奏し、その後、曲の演奏前に律角に直す必要が生じます。

『楽家録』には水調としての記載はありませんが、箏の渡物についての箇所に黄鐘調の呂調として水調の調絃が挙げられています。
これも、平調と太食調との関係と同様の調絃となります。

<水調>
呂角呂角
平調黄鐘盤渉上無平調下無黄鐘盤渉上無平調下無黄鐘盤渉
C♯F♯C♯F♯
五合五合六合二合三合二合三合四合五合六合七合八合

これも、音取は「黄鐘調音取」が演奏されますので、黄鐘調で調絃して音取(爪調)を奏し、曲の前に律角を呂角に下げる必要があります。
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genre : 学問・文化・芸術

2018-09-09

箏 22(平調・黄鐘調・盤渉調の調絃)


太食調、水調も呂ですが、ちょっと後回しにして、律の3調を見ていきます。いずれも同様の調絃です。

<平調>
盤渉平調下無黄鐘盤渉上無平調下無黄鐘盤渉上無平調下無
F♯C♯F♯C♯F♯
五合五合二合二合三合二合三合四合五合六合七合八合

順番は、二→四、二→五→三→六、二→七、三→八、四→九、五→十、六→斗、七→為、八→巾、五→一の順番で調律することになります。

<黄鐘調>
平調黄鐘盤渉壱越平調下無黄鐘盤渉壱越平調下無黄鐘盤渉
E♯F♯
五合五合二合二合三合二合三合四合五合六合七合八合

<盤渉調>
下無盤渉上無平調下無鳬鐘盤渉上無平調下無鳬鐘盤渉上無
F♯C♯F♯G♯C♯F♯G♯C♯
五合五合二合二合三合二合三合四合五合六合七合八合

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genre : 学問・文化・芸術

2018-09-08

箏 21(壱越調・双調の調絃)

調絃について、『楽家録』に次のようにあります。

「おおよそ、箏の調絃は、調子ごとに異なるけれども、その音の相生の法則は、律と呂の2調である。まず、第二絃を宮音とし、第一絃を五絃に合わせて、調べ終えるのがその定法である。相生のしだいは左に挙げる。」

これに続いて、各調子の調絃が上げられています。

まずは呂の壱越調の調絃から。1行目は絃名、2行目は五音、3行目は律名、4行目は静養音名、5行目は調律のための音の取り方です。
<壱越調>
壱越壱越黄鐘盤渉壱越平調下無黄鐘盤渉壱越平調下無黄鐘
F♯F♯
五合五合六合二合三合四合三合四合五合六合七合八合

この音の取り方について、「右の調べの譜註は、第1に、二絃を宮音に合わせる。中指を用いる。第五絃<大指を用いる>を宮音と同音にする。次に三絃<中指を用いる>を五絃<親指を用いる>から生じ、次に六絃<大指を用いる>を三絃<中指を用いる>から生じる。次に四絃<中指を用いる>を六絃<親指を用いる>から生じ、七絃<親指を用いる>を四絃<中指を用いる>から生じる。その後、三絃から巾絃に到るまで、4絃を隔てて同音にする。<三絃に中指を用い八絃に親指を用いる。他はこれに準じる。>以下、皆これに倣う。」とあります。

つまり、二→五→三→六→四→七、三→八、四→九、五→十、六→斗、七→為、八→巾、五→一の順番で調律することになります。いずれも同音、オクターブ、4度、5度の音の取り方です。調子により順番が異なります。

『楽家録』の記載順とは相違しますが、同じく呂旋とされる双調を見てみます。五音の律が異なるだけで、同様の調絃となります。
<双調>
双調双調壱越平調双調黄鐘盤渉壱越平調双調黄鐘盤渉壱越
五合五合六合二合三合四合三合四合五合六合七合八合

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genre : 学問・文化・芸術

2018-09-07

箏 20(柱の立て方)

『教訓抄』に柱の立て方の記述があります。

「柱を立てる法は、第1絃から始め、第13絃まで順番に立てる。これが古法である。他人が弾くときは、柱を立てて進める。そのとき、調子を問わず、ただ平調のように柱を立て、音を調えずに進める。柱包は箱に納め置くのである。
『体源抄』によると、一から巾に立てる。柱包は2つ折にして、末(龍尾)の音穴に指す。一説には、本(龍頭)の音穴に指す。この説に随うと、箏はならないのである、とのこと。
私に曰く、古法はこのようである。しかし、近代は柱包を音穴に挿し入れない。」

現在は、音穴に入れることはないでしょう。

なお、調絃はまた別の話です。最初に、おおよその形に柱を並べて立てる、ということです。

柱を立てた形は、調子により3種類あります。

平調・盤渉調・太食調・高麗壱越調・高麗平調などの柱は次のとおり、とあります。

一絃 ――――――――――――――――――――――<――――――――――
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――――――――――――――――――――――――――――――<―――――
巾絃 ――――――――――――――――――――――――――――<――――


また、壱越調・双調・高麗双調などの柱は次のとおりとします。

一絃 ――――――――――――――――――――――――<――――――――
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巾絃 ――――――――――――――――――――――――――――<――――


最後に、黄鐘調の柱は次のとおりとします。

一絃 ―――――――――――――――――――――――――――<―――――
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――――――――――――――――――――――――――――――<―――――
巾絃 ――――――――――――――――――――――――――――<――――

theme : 伝統芸能
genre : 学問・文化・芸術

2018-09-06

箏 19(作法)

『楽家録』から、箏を持って進退する作法と、箏を構える作法が書かれています。

「箏を持って進退する法。
おおよそ、箏を持って弾く人の前に置く法は、右手で前磯の方、龍角の際を持ち、楽器の半ばから少し末方を左腕に乗せ、手を向こうの磯に掛ける。自らこれを弾くような形に捧げ、向こう側を傾けて少し上を左手に持つ。弾く人の前に到ると、跪いて、箏の本(龍頭)を畳に付け、楽器の末(龍角)を右方に取り直して置く。
撤する法。左手を龍角の際の磯を掛け、右手を楽器の末(龍尾)裏に当てて末方を取り上げる。そうして、左方に取り回して退くのである。退く法は、進むときと同様である。以上、皆、楽器裏が弾く人に向いてはならない。また、座る所の床等に箏を置く場合は、本(龍頭)1尺(約30cm)ほどを隔てて立て置くのである。」

「箏を構える法。
箏を弾く方法は、必ず安座(楽座)を法とする。その方式は、左右の足を組んで袴の裾でこれを包む。左を下、右を上に組み、足裏は皆上を向く。そうして、箏を乗せる。ただし、右膝の曲がっている間に楽器の龍手を指し入れ、左膝の上に乗せる。ただし、末(龍尾)5~6寸(約15~18cm)を向こうに指し出すべきである。曲が終わるごとに座に置くのである。また、婦人が箏を弾く法は、左膝を立てて箏を座に置き、あるいはまた右膝に置いてこれを弾く、とのこと。」

現在は、箏を演奏する時でも膝の上に乗せず、床に置いたままで演奏します。

『絲竹口伝』に、弾く姿について次のような記述があります。

「箏弾、琵琶弾、弾く体勢のこと。女房も男も後ろから見れば、ただ真直ぐに座っている体勢となるべきである。衣紋も後ろから見れば、袖を掻い繕って、笛を持って真直ぐ座っているようにあるべきである。顔も同様である。前方3尺(約90cm)の中を見るのである。たくさん出仕する時も、一人のときも同様である。女房は特に面映げな形であるべきである。前方2尺(約60cm)ほどの内を見るべきである。」

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